いつもと違う食べ方は子どもたちにとって「冒険」。そして、「好き嫌いをなくすチャンス」です。
気軽にできる「ごますり体験」もその一つ。
小さな子どもでも扱えるすり鉢を使ってのクッキング交流会を開催してから2年。
野菜が苦手だったお子さんはその後どうなったでしょう?大好評企画第2弾を開催しました。
ごますりオススメの理由!
すり鉢でごまをすると、初めはパチパチという音、やがて香ってくる香ばしい匂い、そして、粒状だったごまは粉になり、すり立てのごまの香りはひときわ香ばしく、食材の風味を引き立ててくれます。
幼い子どもたちが、まさに五感を使って楽しく食材に親しむことができる調理器具がすり鉢です。
2歳くらいの子どもでも、安全に使うことができます。
いろいろなものに関心が出てきて、何でも「やりたい!」というこの時期にふれさせてあげる、格好の道具です。
子どもの好き嫌いって、どうしてできるの?
食べ物を五感で感じ、その味や匂いや食感などを脳が判断して、「好きか嫌いか」、「食べようか食べるのをよそうか」を決めています。それが嗜好です。そして、その判断をしているのが、脳にある「扁桃体」という器官です。
「扁桃体」はすべての感情情報を評価・判断する役目をしていて、その評価に大きく影響しているのが過去の五感の記憶です。今食べている味や匂い、食感と同じ記憶がたくさんあれば、扁桃体は安心して食べることを許してくれる、という仕組みです。
子どもの嗜好は変化や発達をするもの。
今は苦手な食べ物でも、働きかけしだいで好きになっていくことができます。
「自分でつくった」、「おもしろい」が、「食べてみよう!」へのきっかけになる!
手に伝わる“ごりごり”感や香ばしい香りなど、すり鉢は五感に刺激を受けながら料理を楽しめる器具です。
大人が上手に手助けすることで、子どもたちの「食」への関心も高まります。
(1)ごまをする
安全な調理器具なので、2歳くらいのお子さんでも安心して使うことができます。
(2)まぜる
みそを入れてまぜにくい場合は、手でおさえてあげましょう。
ぬれぶきんを敷くと、安定してごまをすることができるよ!
すり鉢も台も傷つかないよ。
(3)食べる
声かけによって、無理して食べるかもしれませんが、苦手なものを口に入れるということはすごいことなんです!
「ごまみそマヨネーズレシピ」
(4人分)
- 白いりごま・・・大さじ1
- みそ・・・大さじ1
- マヨネーズ・・・大さじ5
- 塩・こしょう・・・少々
- みりん(煮切ったもの)・・・少々
- すり鉢に白いりごまを入れ、すりこぎでさらさらになるまですりつぶす。
- みそ、マヨネーズ、みりん、塩・こしょうを順に加え、それぞれ入れるごとにむらなく混ぜる。
- 好みの野菜とともに盛り付けて完成。
●すりたて“ごまの香り”に効果あり(仲川さん親子)
ごまの香りと食感のせいか、いつもは食べない生野菜も食べてくれました。楽しみながらの食事はいいなと思いました。
●好き嫌いも成長過程の一環!?(塚本さん親子)
ピーマンが嫌いだったなんて、すっかり忘れていました(笑)
いつの間にか食べられるようになり、自分でごまみそを作って食べています。火を使わないので安全ですし、「子どもが野菜を食べなくて…」と悩んでいるお母さんたちに教えてあげています。
●苦手な緑野菜を笑顔でパクパク!(出口さん親子)
普段、緑色の野菜は口に入れないのですが、ごまみそマヨをつけたら、きゅうりもブロッコリーも食べられたんですよ。野菜は新鮮なものをシンプルに食べるのがよいのかもしれませんね。
●「楽しい♪」が「食べよう!」に(中川さん親子)
前回の体験以降、子どもといっしょにすりごまを作り、生野菜につけて食べるようになりました。子どもにとっては、ごますりも遊ぶ感覚で楽しい時間ですね。その流れで苦手な野菜も食べられるようになる(笑)。小さいすり鉢は子どもも大人も使えていいですね。
編集部コメント
同じ年頃の野菜嫌いな子どもをもつママとして、今回のごますり体験で、どのお子さんも普段食べない野菜を口に運ぶ姿に衝撃を受け、そして本当にうれしくなりました。楽しいごますりパワー、ぜひ試してみてくださいね。
おうちで“ごますり体験”をしてみたい方へ

小川 雄二さん監修
お子さんの手にぴったりなだいだい色のすり鉢とすりこぎです。
ごまもセットになっていて、届いたらすぐに始められます。

ごますり体験セット(1,836円税込)
ごま商品を取り扱う株式会社 真誠は、ごまを使って「子どもたちに野菜を大好きになってもらいたい」という思いから、ごますり体験セットを開発しました。
ご購入は、株式会社 真誠のホームページから。
https://www.shinsei-ip.ne.jp/gomasuritaiken/
小川 雄二さん プロフィール
1955年名古屋市生まれ。名古屋大学農学部農芸化学科卒
同大学院農学研究科博士課程修了 農学博士。
名古屋短期大学講師、助教授を経て1996年より名古屋短期大学保育科教授として保育士・幼稚園教諭をめざす学生に「子どもの食と栄養」などを教える。
多くの人に子どもが楽しく食べることの大切さを伝えることがライフワーク。コープあいち顧問。